秋月種実40【謀反がいっぱい~田原家乗っ取り】
武蔵田原の当主は、大友宗麟がキリシタンにハマって強制離婚した奈多夫人の実兄だ。
田原本家を警戒する宗麟は武蔵田原を厚遇することで対抗し、それは奈多夫人離婚後も変わらない。
田原本家は宗家の座を狙い、謀反する機会を狙ってる。
過去(南北朝まで遡る)の諍いがあるために、「田原謀反」は宗麟にとって約束された未来だった。
島津軍に大敗北(高城耳川の戦い)し家運が衰退した宗麟は、「今こそ田原本家を乗っ取らなければ、自分(大友家)が田原本家に滅ぼされる。」と、恐れた。
だが管理人から見れば宗麟の警戒心が病的で、自分の影に怯える子供と何ら変わらない。
なぜなら田原本家には子供が娘ばかりで、しかも3人しかいなかったからだ。
田原本家の家督を無事に継承する方が最優先で、大友に対し謀反など考えるような状態ではない。
だが、それでも宗麟は警戒し田原本家に冷たい態度を続けて追い詰めて行った。
田原本家は宗麟の乗っ取りの企みに懊悩しながら、病で亡くなった。
亡き田原本家は秋月種実の実甥を婿養子に迎えていたのだが、まずいことに相続に関する遺言が無かったために、田原婿養子が動揺した。
田原婿養子「このままでは、宗麟の二男に家督を乗っ取られてしまう。もしかしたら亡き義父上が、すでに家督を宗麟の二男に譲ることを約束させられているかもしれない(滝汗MAX)
1579年12月、ホントに謀反を決意した田原婿養子だったが、海から攻撃しようと準備してたのを、時化で失敗~~謀反の企てがバレた!><;アウチ☆
1580年の大友家は年頭から田原謀反の知らせに、討伐のための動員がかけられた。
だが、なかなか足並みが揃わなかった。
加判衆(かばんしゅう・大臣のこと)や、他の家臣たちも、田原本家に同情していたからだ。
宗麟の乗っ取りが強引すぎて、あそこまで追い詰めたら自領を守るために蜂起せざるを得ない。
それに田原本家に対抗するために、宗麟がエコヒイキした武蔵田原への不満もある。
1580年2月中旬、田原討伐の動員を拒んで、田北紹鉄(たぎた じょうてつ)が、勝手に自領に帰ってしまう!
同時期に大友家臣で筑前(福岡)方面担当の戸次道雪(べっき どうせつ)が、大友家臣団の団結と奮起を促す檄文を出す。
内容は素人検索では入手できなかったが大友家臣たちは、この檄文で一時期、立ち直ったと言われている。
自領に帰った田北は、すれ違いで「道雪の檄文」を見ておらず、間に合えば帰還を思いとどまったかもしれない。
同年4月13日、田北紹鉄は謀反の罪で討たれる。
罪状は「秋月への内応」「宣教師殺害の罪」で、動員命令拒否が理由ではない。
これらの罪状は全て真偽不明で、「武蔵田原が宗麟へ讒言した」というのが有力な説だ。
討たれたのは田北紹鉄だけで、田北一族は罪を不問とすることで、大人しくさせた。
これが宗麟の「いつものやり方」で、目的の人物を討ったら他を許すことで取り込んで行くんです。
田北家の家督を継いだのは、まだ12歳の少年で宗麟の思う通りに動かせるだろう。
逆らう田北を押さえたら、次は念願の田原討伐だ。
これでやっと宗麟は「安心」できる。
同年6月、田原家の鞍掛城が大友軍によって包囲される。
7月には田原家の安岐城を宗麟の次男が攻撃する。
宗麟が田原本家乗っ取りのために、送り込もうとしていた次男に攻撃させたんです。
勝てば、いま攻めてる城も田原家督も自分のもの大張り切りの次男さんです( ̄ー ̄A 汗フキフキ
宗麟の次男は粗野で乱暴と言われ、「自分のほうが兄(義統)より大友当主に相応しい」と自惚れていた。
このへんは、宗麟が家庭内暴君だったことに起因していると思う。
同年8月、田原を救援に来た毛利水軍を大友水軍(若林氏)が撃退する。
かつて戦国最強と謳われた毛利水軍だったが、1576年に織田水軍に敗れてから以前より衰えていたかもです。
大友が謀反・謀反で アタヘ( ̄△ ̄)ノ=ヽ(; ̄▽ ̄)ノフタ 大忙しの時に織田信長が動いた!
この年の3月、石山本願寺との和睦(本願寺の実質敗退)が成立。
毛利水軍と大友水軍がガチンコしてる間・・8月に、島津と再び交渉を再開した。
え?取次の近衛さん?遊び気分の公家なんぞ使えるか!o( ̄ー ̄θ★ケリッ
織田と島津の直接交渉です(* ̄・ ̄*)Vブイ
9月、織田信長は島津義久に「大友との和睦(豊薩同盟)」を承諾させることに成功する。
衰退する大友家の起死回生の外交戦術は間に合ったんです!!
この「豊薩同盟」は外交上の交渉テーブルのカードに使われただけで同盟の実態は供わないのだが、豊臣秀吉が、そのカードを拾い「自分の持ち札」にしたお蔭で、大友を救う切り札になった。
10月6日、宗麟次男が田原の安岐城を落城させる。
10月9日、田原婿養子(親貫・秋月実甥)が自害した。
田原本家の家督は、宗麟の次男・親家が継ぎ、田原本家乗っ取りに遂に成功する。
いつか田原が謀反を起こす・・・そう恐れ続けた宗麟は、やっと胸を撫で下ろしたことだろう。
だが「兄が大嫌い」な次男が田原本家を継いだことは、やっぱり大友衰退の一因となった。
揺れ動く大友家。
秋月種実が、かつて仰ぎ見た巨木は内側から腐りはじめ、ゆっくりと傾きつつあったのだ。
そして、この謀反騒ぎの最中、秋月種実の陰謀が蠢きだすのだが、
それは またの話 次回~秋月の陰謀