高橋元種4「俺の物は俺の物・お前の物は俺の物」
初めに・・・今シリーズは、地方史の、さらに逸話ベースですので、史実かどうかの検証はされていないことを予めご了承下さい。
高橋元種17歳・・・陰謀家・秋月種実の次男にして、日向縣5万石(大友宗麟に滅ぼされた土持家の領地)若き大名となった。
九州の役で秀吉に敗れ、本貫地・筑前(福岡県)は秋月(古処山城)を失って傷心の父と兄と違い、元種の胸中は新たな未来に胸を弾ませていた。
もともと次男の元種は家督に縁が無く、幼少時は大友家へ人質として大友館(大分県)に差し出され、少年期は高橋家へと養子に出されている(ただし養家には行かず父・種実の手元で育つ)ので、父と兄に比べれば17歳という若さも手伝い、気持ちの切り替えは早かっただろう。
それどころか地方の国人領主で終わるはずの人生が、豊臣政権の思惑で小なりとも正規に大名となったのだ。
ゆくゆくは任官し、畏れ多くも「御簾の向こうにいる帝」の御前で参内する身分となれる。
豊臣政権から渡された「領地宛行状」と「土地台帳(正式名ド忘れ」は、末代に至るまでの大切な宝だ。
「これがワシの新領地・・・O(▽ ̄*O)(O* ̄▽)Oワクワク・・・」改めて書面を開きシゲシゲと眺める元種
・・・?・・・( ̄。 ̄)じぃー??ひぃ、ふぅ、みぃ・・・ナニコレ???土地が足りない??
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~★?▲▽(涙・激・汗)?????~~~~
土地台帳を何度見直しても、何度足し直しても、合計して5万石にならないΣ( ̄▲ ̄ノ)ノひぃぃ~~
島津家臣(上井さんね)に粘られ城に入れず、その騒ぎが治まりやっとお国入りしたと思ったらトンデモハプニング発生。
欠け地があるううううううううううううううううううう!誰か!急ぎ調べよ!!
元種の命令で慌てて家臣が調べると・・「殿!高千穂が記載されておりません!!」
家臣も涙目だ、事と次第によっては自分達に分配される領地にも関わる。
それは豊臣政権・奉行衆のウッカリ記載ミスでした・・・九州の役という大規模な大名・領主の入れ替えの混乱が招いたアンビリバボーな失敗。
「ど・・どうすれば・・・」下手に奉行にドヤ顔でミスを指摘して逆切れされたら藪蛇にならないとも限らない。
元種は困惑した。
このことに希望を持ったのが「もともとの高千穂領主・三田井氏」だ。
三田井氏は高千穂神社系氏族の嫡流で、平安時代くらいから続く古い名家です。
大友や伊東とも友誼があったんだけど、田舎ゆえの情報不足と山奥ゆえの純朴さで時代の流れに乗り遅れ、成り行きで島津に味方して、しかも戦で活躍しちゃった(結果は島津の敗北だが緒戦で三田井が活躍してたの)ので、改易処分を食らったんです。
不安な日々を送ってた三田井家だが、いつまでたっても新領主派遣の役人が来ないので不思議に思い、家臣が調べて騒ぎを知った。
三田井「島津だって本貫地が安堵されたんだ・・・うちだって許されていいはず・・!
とはいうものの豊臣政権にツテもコネもない。
かつてのボス・島津は三田井どころではないし、殿中政治に不慣れな三田井は交流のある大友や伊東に頼るという発想も浮かばなかったらしい。
為す術が無いまま焦る三田井のもとに、高橋元種から使者が来た。
高橋家臣「主君の口上を伝えます」
「このような仕儀にあいなり、自分も困惑しております。
それに関白殿下の元で世が平らになった以上は、三田井家と争うことは殿下の意にも沿わないと存じます。
差支えなければ自分が大坂に伺候して「三田井家存続・高千穂安堵」を言上しましょう。」
三田井氏は他に妙案も浮かばないので「宜しくお願い仕るm(_ _)m」と頭を下げるほか無かった。
三田井家の了解を得て、元種は一路大坂へ((((((((((っ´▽`)っ さっそく秀吉に拝謁した。
秀吉「おお~はるばる日向から、よく参った。そちには後で紹介したい者がおるゆえ楽しみにしておれ^-^ニコニコ」
元種(紹介?誰であろう?)「殿下、本日参ったのは高千穂の三田井家のことで申し上げたき議があるからでございますm(_ _)m」
秀吉「三田井?確か島津に従っていた罪で改易したはずじゃな」
元種は予め取次に三田井の名を告げていたので、秀吉の方も下調べさせたのであろう、反応が早かった。
元種「実は三田井は殿下の仕置きを恨んで謀反を企んでいることが発覚しました!(O ̄∀ ̄)ノ
やったね元種クン∴・…( ̄◆ ̄爆)ブハ!
さすが秋月の息子~~~( ̄▽ ̄)ノ_彡☆バンバン
高千穂を手に入れるために親切顔で三田井を騙し、関白・秀吉に大嘘を報告しました(* ̄・ ̄*)Vブイ
秀吉「それは許せん!元種よ、そのような不埒なる者は直ちに成敗せよ!
元種「ははっ元種、殿下への忠義のため謀反人を討ち果たして参ります(計算通り(* ̄ー ̄*)ニヤリ)」
神社系氏族・・・宗教勢力と密着した武家など秀吉にとっては邪魔でしかない。
秀吉は「これは完全に潰すチャンス到来」と判断し、元種の報告のみで裁断を下した。
一方、「謀反の罪」を着せられているなど夢にも知らない三田井家は、高橋元種からの吉報を信じて待っていた。
勿論戦の準備などしているはずもない。
攻める側の高橋元種から見ると、高千穂は山奥で攻めづらく、兵も足腰が強靱なツワモノ揃い。
まともなガチンコになれば長引いて、ひいては自分のウソがバレてしまうかもしれない。
早くカタをつけるために「裏切り工作」をすることにし、交渉する相手として三田井の筆頭家老・甲斐宗摂に目をつけた。
筆頭家老に裏切り交渉?というと不思議に思うかもだが、実は甲斐宗摂は高千穂出身者ではなかった。
彼は肥後・阿蘇家の家老で知ってる人は知ってる忠義一途の甲斐宗運の庶子です。
阿蘇家と三田井家の同盟の証として、宗運の庶子が筆頭家老として送り込まれた今風に言うと「外部取締役」。
その甲斐宗運は既に亡くなり、庶子・宗摂の元々の主家である阿蘇家も「九州の役」の処罰を受け、大名としての権限は一切剥奪されて、わずかな領地で細々と続いている状態。
従って阿蘇と三田井の同盟関係は既に霧散しており、宗摂は「実家は嫡流が途絶え」「主家没落」でシガラミが一切なく「自分の保身優先」できる身軽な立場だったんです。
だが宗摂が筆頭家老の職責を放棄して、元種の交渉に応じたのには「元種の知らない内部事情」があった。
高千穂神社嫡流で山奥の三田井家には「娘を神に生贄として捧げる秘儀・秘祭」があったんです
生贄を選ぶ方法は、神官が弓矢を放ち「矢が落ちた家の娘」です。
そして不幸なことに、その年の矢が甲斐家に刺さり、宗摂の愛娘が生贄に選ばれてしまった。
山奥の迷信深い土地において秘儀は絶対で、筆頭家老だろうが余所者だろうが選ばれたら容赦なしで逃れようがない。
その土地の人間なら当たり前のことで、内心はともかく「選ばれたのは名誉」として娘を差し出すのだが、
阿蘇から来た宗摂には、花の盛りの愛娘を「犠牲」にするのが何としても耐えられなかった・・・
更に厳しかった実父も死に、過去の同盟を含めて阿蘇家への遠慮がいらない、ということが宗摂の理性の掛け金を外した・・・
武将の誇りを捨て、筆頭家老の地位を捨て、娘を守りたいと願う一人の父親がそこにいた。
三田井家・筆頭家老・甲斐宗摂は、高橋元種の裏切りの誘いに応じて「城への抜け道」を教えた。
1591年9月・・・甲斐の内通で準備を整えた高橋兵が、高千穂を攻撃したのだが それは またの話
高橋元種17歳・・・陰謀家・秋月種実の次男にして、日向縣5万石(大友宗麟に滅ぼされた土持家の領地)若き大名となった。
九州の役で秀吉に敗れ、本貫地・筑前(福岡県)は秋月(古処山城)を失って傷心の父と兄と違い、元種の胸中は新たな未来に胸を弾ませていた。
もともと次男の元種は家督に縁が無く、幼少時は大友家へ人質として大友館(大分県)に差し出され、少年期は高橋家へと養子に出されている(ただし養家には行かず父・種実の手元で育つ)ので、父と兄に比べれば17歳という若さも手伝い、気持ちの切り替えは早かっただろう。
それどころか地方の国人領主で終わるはずの人生が、豊臣政権の思惑で小なりとも正規に大名となったのだ。
ゆくゆくは任官し、畏れ多くも「御簾の向こうにいる帝」の御前で参内する身分となれる。
豊臣政権から渡された「領地宛行状」と「土地台帳(正式名ド忘れ」は、末代に至るまでの大切な宝だ。
「これがワシの新領地・・・O(▽ ̄*O)(O* ̄▽)Oワクワク・・・」改めて書面を開きシゲシゲと眺める元種
・・・?・・・( ̄。 ̄)じぃー??ひぃ、ふぅ、みぃ・・・ナニコレ???土地が足りない??
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~★?▲▽(涙・激・汗)?????~~~~
土地台帳を何度見直しても、何度足し直しても、合計して5万石にならないΣ( ̄▲ ̄ノ)ノひぃぃ~~
島津家臣(上井さんね)に粘られ城に入れず、その騒ぎが治まりやっとお国入りしたと思ったらトンデモハプニング発生。
欠け地があるううううううううううううううううううう!誰か!急ぎ調べよ!!
元種の命令で慌てて家臣が調べると・・「殿!高千穂が記載されておりません!!」
家臣も涙目だ、事と次第によっては自分達に分配される領地にも関わる。
それは豊臣政権・奉行衆のウッカリ記載ミスでした・・・九州の役という大規模な大名・領主の入れ替えの混乱が招いたアンビリバボーな失敗。
「ど・・どうすれば・・・」下手に奉行にドヤ顔でミスを指摘して逆切れされたら藪蛇にならないとも限らない。
元種は困惑した。
このことに希望を持ったのが「もともとの高千穂領主・三田井氏」だ。
三田井氏は高千穂神社系氏族の嫡流で、平安時代くらいから続く古い名家です。
大友や伊東とも友誼があったんだけど、田舎ゆえの情報不足と山奥ゆえの純朴さで時代の流れに乗り遅れ、成り行きで島津に味方して、しかも戦で活躍しちゃった(結果は島津の敗北だが緒戦で三田井が活躍してたの)ので、改易処分を食らったんです。
不安な日々を送ってた三田井家だが、いつまでたっても新領主派遣の役人が来ないので不思議に思い、家臣が調べて騒ぎを知った。
三田井「島津だって本貫地が安堵されたんだ・・・うちだって許されていいはず・・!
とはいうものの豊臣政権にツテもコネもない。
かつてのボス・島津は三田井どころではないし、殿中政治に不慣れな三田井は交流のある大友や伊東に頼るという発想も浮かばなかったらしい。
為す術が無いまま焦る三田井のもとに、高橋元種から使者が来た。
高橋家臣「主君の口上を伝えます」
「このような仕儀にあいなり、自分も困惑しております。
それに関白殿下の元で世が平らになった以上は、三田井家と争うことは殿下の意にも沿わないと存じます。
差支えなければ自分が大坂に伺候して「三田井家存続・高千穂安堵」を言上しましょう。」
三田井氏は他に妙案も浮かばないので「宜しくお願い仕るm(_ _)m」と頭を下げるほか無かった。
三田井家の了解を得て、元種は一路大坂へ((((((((((っ´▽`)っ さっそく秀吉に拝謁した。
秀吉「おお~はるばる日向から、よく参った。そちには後で紹介したい者がおるゆえ楽しみにしておれ^-^ニコニコ」
元種(紹介?誰であろう?)「殿下、本日参ったのは高千穂の三田井家のことで申し上げたき議があるからでございますm(_ _)m」
秀吉「三田井?確か島津に従っていた罪で改易したはずじゃな」
元種は予め取次に三田井の名を告げていたので、秀吉の方も下調べさせたのであろう、反応が早かった。
元種「実は三田井は殿下の仕置きを恨んで謀反を企んでいることが発覚しました!(O ̄∀ ̄)ノ
やったね元種クン∴・…( ̄◆ ̄爆)ブハ!
さすが秋月の息子~~~( ̄▽ ̄)ノ_彡☆バンバン
高千穂を手に入れるために親切顔で三田井を騙し、関白・秀吉に大嘘を報告しました(* ̄・ ̄*)Vブイ
秀吉「それは許せん!元種よ、そのような不埒なる者は直ちに成敗せよ!
元種「ははっ元種、殿下への忠義のため謀反人を討ち果たして参ります(計算通り(* ̄ー ̄*)ニヤリ)」
神社系氏族・・・宗教勢力と密着した武家など秀吉にとっては邪魔でしかない。
秀吉は「これは完全に潰すチャンス到来」と判断し、元種の報告のみで裁断を下した。
一方、「謀反の罪」を着せられているなど夢にも知らない三田井家は、高橋元種からの吉報を信じて待っていた。
勿論戦の準備などしているはずもない。
攻める側の高橋元種から見ると、高千穂は山奥で攻めづらく、兵も足腰が強靱なツワモノ揃い。
まともなガチンコになれば長引いて、ひいては自分のウソがバレてしまうかもしれない。
早くカタをつけるために「裏切り工作」をすることにし、交渉する相手として三田井の筆頭家老・甲斐宗摂に目をつけた。
筆頭家老に裏切り交渉?というと不思議に思うかもだが、実は甲斐宗摂は高千穂出身者ではなかった。
彼は肥後・阿蘇家の家老で知ってる人は知ってる忠義一途の甲斐宗運の庶子です。
阿蘇家と三田井家の同盟の証として、宗運の庶子が筆頭家老として送り込まれた今風に言うと「外部取締役」。
その甲斐宗運は既に亡くなり、庶子・宗摂の元々の主家である阿蘇家も「九州の役」の処罰を受け、大名としての権限は一切剥奪されて、わずかな領地で細々と続いている状態。
従って阿蘇と三田井の同盟関係は既に霧散しており、宗摂は「実家は嫡流が途絶え」「主家没落」でシガラミが一切なく「自分の保身優先」できる身軽な立場だったんです。
だが宗摂が筆頭家老の職責を放棄して、元種の交渉に応じたのには「元種の知らない内部事情」があった。
高千穂神社嫡流で山奥の三田井家には「娘を神に生贄として捧げる秘儀・秘祭」があったんです
生贄を選ぶ方法は、神官が弓矢を放ち「矢が落ちた家の娘」です。
そして不幸なことに、その年の矢が甲斐家に刺さり、宗摂の愛娘が生贄に選ばれてしまった。
山奥の迷信深い土地において秘儀は絶対で、筆頭家老だろうが余所者だろうが選ばれたら容赦なしで逃れようがない。
その土地の人間なら当たり前のことで、内心はともかく「選ばれたのは名誉」として娘を差し出すのだが、
阿蘇から来た宗摂には、花の盛りの愛娘を「犠牲」にするのが何としても耐えられなかった・・・
更に厳しかった実父も死に、過去の同盟を含めて阿蘇家への遠慮がいらない、ということが宗摂の理性の掛け金を外した・・・
武将の誇りを捨て、筆頭家老の地位を捨て、娘を守りたいと願う一人の父親がそこにいた。
三田井家・筆頭家老・甲斐宗摂は、高橋元種の裏切りの誘いに応じて「城への抜け道」を教えた。
1591年9月・・・甲斐の内通で準備を整えた高橋兵が、高千穂を攻撃したのだが それは またの話
スポンサーサイト