FC2ブログ

【3)戦功改】

藩主が編纂する一方で、家臣も先祖の勲功を記した戦功書を書いている。

野口先生は2パターンに大別している。
 ①子孫に残すために置文式
 ②命令によって差し出すのが目的の書上式
  
で、論文で取り上げてるのは②のパターン^^b
②にある命令というので最も多いのが、戦功改めにおける戦功書の提出です。

佐賀藩で行われた戦功改めは10回・・他に系図改めが2回。
(他藩が、どれくらいの頻度で行ってたかは、論文に書いてないし、シオもワカラン)

提出する藩士にとっては、先祖に対する儒教的「孝」の発想だけでなく、従来の知行の継続という側面を持つ。
つまり「我が家はコレコレ【御家】に尽しました(`・ω・´)キリッ」「現在の知行・御役は、それによって得た至当なものです(`・ω・´)キリッ」とアピールするわけです。

戦功改めにおける【御家】とは、当然、鍋島氏のことです。
これはシオの想像ですが、旧主一門を家臣に抱える佐賀藩では、戦功改めによる戦功書提出を繰り替えす事により、
藩士たちに『御家=鍋島氏』という意識の刷り込みを行ってたんじゃないでしょうか。

戦功改めのタイミングですが論文によると、龍造寺隆信・鍋島直茂・勝茂・島原の乱追善供養、
上記いずれかの年回忌前後に行ってるそうです。

2代目藩主・光茂公は、龍造寺隆信100年忌に戦功改めを実施してます。
この時、一部(または全部?)の家臣に対し「隆信に関する戦功ではなく、鍋島直茂に関する書き上げ」を命じています。

つまり「隆信時代の合戦における戦功」を、「直茂公との関わり合いを中心に書いて」るんです(@@)
・・・・・・・・・すっごい書きづらそう~~~~~~~~~~~~~~~~~

まさに佐賀藩内部の複雑さがモロに出てるけど、この「書き方」は定着せず、他は普通に書いてるそうです^^;
いずれにしても「戦功書における藩主の先祖と家臣の先祖の戦功・武功はセット」でした。


で、17世紀後半以降には大身家臣でも、自分の家臣に提出させた古文書・感状に基づき家譜や軍記物を編纂するようになります。
村田(龍造寺)「藤龍家譜」、諫早家「西郷記」、神代家「神代家伝記」などです。

シオが神代勝利公を記事にする上で、主な出典にしてるのが「三瀬村史」ですが、その三瀬村史のベースが「神代家伝記」です^-^
戦功改め効果なのか、神代家伝記では前後の脈絡なく突然「直茂公が○○と勝利公を褒めてたよ!」なんて記述が飛び出します^^;

さて官制軍記物「九州治乱記(北肥戦誌)」を編纂させた5代目藩主・宗茂公は、戦死者供養のために戦死者を特定する為の調査もしてます。
龍造寺時代・鍋島時代通じて、ぶっちぎりの戦死者が出た・・・といえば「沖田畷の戦い」と「島原の乱」です。

え?関ヶ原直後の「柳川の戦い(鍋島VS立花)」の戦死者数?^-^
?分の一の立花勢に散々ヤラレタ黒歴は掘り起してはなりませぬ(`・ω・´)キリッ
(鍋島さまも苦労が耐えないな・・・)

とにかく主家にとって、忠義・名誉の戦死を遂げた家臣らを弔う事は超大事。
家臣にとって「主家が我が家の勲功を認めてくれてる証」の一つだからです。
で、宗茂公は戦死者特定調査の為に、寺社に対しても調査してます。
(なんか昭和の大戦後でも似たような事してたような・・・?)

戦功改めや、戦死者とその子孫確定調査は、宗茂公以降も継続して行われてて、
論文によると18世紀中に「什物方」という専門部署が設けられたそうです。

「什物方」の活動範囲は広く、ありとあらゆる歴史史料や記録類の収集と管理だけに留まらず、
小道具類の管理、能の装束・道具類の管理までしてたそうです。

それだけでなく他家から史料問い合わせにまで「什物方」が対応と提供をしてます。
また、江戸生まれの江戸育ちの若君が、殿様として初のお国入りするにあたり「御家の歴史に関する書物」で、
何を事前に読むべきか適宜な書物を用意し提出します。

「什物方」は、調査段階で様々な史料からデータ集めしてるんですが、その史料出典の一つとして北肥戦誌(九州治乱記)が既に使われてます。
北肥戦誌は、出典元として使用される事、営々200年という重厚な歴史を持つのだが、それは・またの話 by^-^sio
スポンサーサイト



テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

時乃★栞

Author:時乃★栞
筑前・筑後・肥前・肥後・日向・大隅・薩摩に気合いバリバリ。
豊前は城井と長野が少し。豊後はキング大友関連のみ。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
月別アーカイブ
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
563位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
歴史
103位
アクセスランキングを見る>>
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR