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【感想4)鍋島史観】野口朋隆「先祖の戦功を巡る「御家」内の動向について」より

えっと、論文の内容を紹介しつつ、自分の感想を交えて話を進めてましたが、ここから先はシオの呟きメイン。

話は九州治乱記に戻るんですが、編纂を命じた5代目・宗茂公(※鍋島ですよ~)は、
「この書は文庫所蔵!書写禁止!秘書とする(`・ω・´)キリッ」と命じています。

文庫に納まった書物は、おそらく現代の図書館所蔵・郷土資料のように持ち出し禁止&閲覧制限かかったはずです。
もしかしたら、感想3で紹介した「什物方御役」の者しか、直接見られなかったかも。
(論文には、そこまで書いてなかった^^;)

そうすると偽書や改竄は防止できます。
が、非公開にしちゃったら、庶子から藩主になった宗茂公の政治的課題「鍋島氏の正当性をアピールする」という目的が、果たせません。

実は「北肥戦誌(九州治乱記)」は編纂者である馬渡俊継本人による写本が、出回ってたそうなんです^^;
書写本は表題が違ってて、表紙だけ見たら「北肥戦誌(九州治乱記)」とは判らないようになってます。

論文は典拠の出せない(あっても導き出すのが無理な)推測は、まず書かないです(書いても、ちょぴり)
ここはブログなんで推測だらけです,;.:゙:..:;゙:.:: (゚∀゚ゞ)ブハッ!

で、オタの想像なんですが「馬渡が北肥戦誌を書写し流出させたのは、宗茂公の意向じゃないかな~」です^^
本物は文庫所蔵で管理を徹底することにより権威づけし、写本を流布させる事によって「鍋島史観」を普及させるんです。

そこで注目するのが前回書いた「戦功改め」です。
佐賀藩の複雑さは旧主・龍造寺一門が、老中や藩中枢の要職を務め門閥化してたことです。
その為、旧主である龍造寺氏をディスる(貶める)訳にいきませんし、逆に褒めすぎてもダメ。
かといって現主家に媚び媚びにする内容にすると、龍造寺時代の戦功と辻褄が合わなくなるΣ(´Д`;)あれ?
予定調和の戦功書を提出するには、鍋島史観に基づく「九州治乱記(北肥戦誌)」を参照すれば、一番無難です。

官制の書物である「九州治乱記(北肥戦誌)」は「鍋島史観を普及させる」という目的が、初めから奥底に潜んでると思います。
だからこそ「事実を淡々と書いて」「年代推定の根拠として収集した古文書をあげている」んです。
改竄疑惑があるような某大名家のようなシロモノじゃ、支配者側に何がしかの意図があるとバレバレで、信じてもらえないから意味なくなる^^;

読んだ人に「これは本物」と思わせるには、あえて徹底して調べて典拠データを載せることです。
詳しければ詳しいほど、載せたデータに実は取捨選択があるとか、主家に都合良い歴史解釈が混在してることに気づかれにくく、繰り返し使う事により何時の間にか脳内に刷り込まれます。

肥前戦国史の研究においても然り、北肥戦誌の存在が大きすぎたんじゃないでしょうか。
北肥戦誌が詳しければ詳しいほど、北肥戦誌に満足してしまい、人はソレ以上は調べません。
北肥戦誌にデータがなければ、江戸期編纂だから元史料が入手できなかったんだな(*´ー`)と、善意に解釈します。
つまり北肥戦誌に書かれた史実と、一次史料の比較検証を敢えてしようという空気が熟成されない。

藩士たちは、九州治乱記の書写本から自分の先祖をφ(.. ) メモメモ抜書きしたり、
戦功や記録管理の「什物方」は、出典に九州治乱記(北肥戦誌)を使う・・・

鍋島史観が潜む編纂書物が、出典元として100年以上の長きにわたり使われ続けたんです。
「はじめに北肥戦誌ありき」の意識は、簡単には抜けません。
九州治乱記の書写本から派生した三次・四次史料が氾濫すれば、否応なしに「肥前でマトモな史料は北肥戦誌だけ」という状態になる。

自分は道産子なので、北肥戦誌の予備知識ゼロだから、しょぱなから検索かけまくってました。
あと肥前戦国史をやる前の基礎データとして、筑前戦国史もリサーチしてました。
だから読む進むにつれ、北肥戦誌は何らかの意図でデータの取捨選択してるんじゃないか?って感じました。

素人の自分が感じるくらいだから、他のプロ研究者だって気づいてたと思います。
ただ、佐賀県の大学には国文学とか史学専攻ってコースがなくて、若手研究者の育成という点で他県より遅れをとってしまってます。
本業を別に持つ研究者がバラバラに研究してる現状では、北肥戦誌に踏み込んだ研究も直ぐには進まないでしょう。

江戸期編纂物である「北肥戦誌」は一次史料による検証がなされていない(&終わってない)、未開の原野なんです
北肥戦誌を再検証する動きは既に始まってます。
一次史料との比較検証で、これまでの通説は徐々に変化するでしょう。

かといって北肥戦誌がダメって事にはなりませんよ。
官制軍記物だから「鍋島史観が混在してるんや~」という事を踏まえて読めば良いだけです^-^

北肥戦誌に書かれた内容を確認するには、もう自分で肥前戦国史を研究するしかないっす(`・ω・´)キリッ
てことで某研究会に入会する決意をしたキッカケ(の一つ)となった論文感想でした^^;

本格的に研究しはじめるとブログの方も、連載スピードが落ちると思います。
とはいえ気楽なブログは自分にとってモチベーションの源ですので、無理のないペースで続けたいと思います。

道産子素人が、何処まで研究出来るか判りませんが、精進しますので何卒宜しくお願いしますm(__)m
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テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

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時乃★栞

Author:時乃★栞
筑前・筑後・肥前・肥後・日向・大隅・薩摩に気合いバリバリ。
豊前は城井と長野が少し。豊後はキング大友関連のみ。

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